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あらすじ

妖精と人間が暮らす世界「ハレルランド」に、月の女王の魔の手が迫る!

ついに妖精契約の儀式を迎えたモニカとアサ。けれど結果は散々……

さらには優等生のステラを巻き込み大パニック!? 伝説の妖精シャイニーも登場!? 忍び寄る不穏な影……!? ふぁんたじっくストーリーは、ここからが正念場!

※テキスト版(文字のみ・デザインなし)

役表

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前編45分、 後編45分 台本(通し90分)

男 1 : 女 3 : 不問 1

  モニカ

  ステラ

​   アサ

ファントム

シャイニー

※モニカ以外は兼ね役有

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​​​

キャラクター(キャラ名をクリック)

モニカ・アオゾラ

「今日も一日! モーニングッド♪」

 主人公。黄色いポニーテール。

 フェアリー学園の落ちこぼれ。シャイニーと契約し、変身する。

 お日様のように明るい笑顔の女の子。

ステラ・ハンドレッド

「パーフェクトな悪役令嬢、ですわっ!」

 ライバル。銀髪縦ロール。

 フェアリー学園の首席。高飛車なお嬢様。ツッコミ役。

 問題児のモニカを目の敵にしている。

 ※兼ね役(メアリー/お婆ちゃん/女生徒A)

​​​

アサ・クライン

「うぅぅ~、緊張してきたよ……」

 ヒロイン。三つ編み眼鏡っ娘。

 フェアリー学園の都市に引っ越して来た、普通の女の子。

 地味で大人しい性格。よくモニカに振り回される。

 ※兼ね役(ヨルトバーリ/女生徒B)

シャイニー

「太陽の妖精たぁオレっちのことよォ!シャイニ~ング!」

 マスコット。太陽を司る伝説の妖精。

​ 学園首席が契約できるはずが、ひょんなことからモニカと契約する。

 陽気で呑気。ふてぶてしい。

 ※兼ね役(取り巻き令嬢A)

ナイトファントム

「グナーイン!!深い悪夢の底で、永遠に絶望しろ」

 敵幹部。三日月の仮面と黒スーツを纏った男。

 月の女王 ヨルトバーリのしもべ。女王を崇拝している。

 キザでサディスト。

 ※兼ね役(取り巻き令嬢B)

​​

ナイトメアリー

「グナーイン。女王様のご意向とあらば」

 敵幹部。新月の仮面と黒スーツを纏った女。

 月の女王 ヨルトバーリのしもべ。忠誠心が高い。

 感情が薄く、マネキンのように無表情。

 ※ステラの兼ね役

ヨルトバーリ

「夜のトバリで満たして差し上げるわ。さあ。暗黒の時代よ」

 ラスボス。月の女王。

​ ハレルランドを夜で支配し、世界の人々を永遠に眠らせようと企む呪いの魔女。

 残忍で恐ろしい声。

 ※アサの兼ね役

​​​​

その他のモブ

​​

お婆ちゃん……モニカのお婆ちゃん。朗らか。​

取り巻き令嬢……ボディーガード。ステラの言い付けで女装させられている。

女生徒……フェアリー学園の女生徒。

オヤスミン※確認必須……ファントムが召喚した巨大な怪物。

​ふぁんたじっく♪マギアフェアリーズ

シャイニー:

  ――んおおお~~!

  ひっさびさに浴びる日差しはポカポカで格別だぜ~!

  ほぉら、ボーっとしてねえでオメーも一緒に!シャイニ~~!

 

モニカ:

  シャイニー……?あなたが、太陽の妖精さん?

 

シャイニー:

  応とも!びっくらこいたろ?オレっちのビッグサプライズ大成功~!

 

モニカ:

  す――――すっごーい!!

  喋れる妖精さんなんて聞いたこともないよお!

  それに、姿もクッキリハッキリ見えるよ!?なんでなんで!?

 

シャイニー:

  ムフフ、そりゃオメー、オレっちはめちゃ特別だからなぁ。

  他の妖精達からも、妖精王って呼ばれてるんだぜ!

 

モニカ:

  妖精王……かっこいいー!

  それにもふもふなのもギャップがあって、かわいいねー!

 

シャイニー:

  ムッフフフ!だろだろ~!

  オレっちのキューティーな偉大さが分かるとは、オメーやっぱ気に入ったぜ!

  どうだい、オレっちと契約するか?

 

モニカ:

  いいの!?

  あ!あたし、モニカ!よろしくねシャイニー!

 

シャイニー:

  よっしゃモニカ!

  ほんじゃま。残りの尺も短けぇし、サクッとやるか~!

 

 

ステラ:

  ちょっとお待ちなさ――――――いッ!!!!

 

 

モニカ:

  うわぁッ!?

(下敷きのステラが急に立ち上がり、すっ転ぶ)

 

ステラ:

  違う!違いますわ!そうではなくってよ!

 

  ワ・タ・ク・シ!!

  契約者候補はこのっ、ワタクシですわ!!

 

シャイニー:

  アァ?なんだ急に。ダレだオメー?

 

ステラ:

  誰って……ッ!

  継承の言葉を聞いていませんでしたの!?

  今世代の太陽祭契約者候補のステラ・ハンドレッドですわッ!

  学園から選ばれた人間ですのよ!

 

シャイニー:

  ほーん。(興味無さげ)

 

ステラ:

  ほ、ほーんって……。

 

  お、おほん。(冷静になる)

  お分かりかしら、太陽の妖精。

  フェアリー学園から証を受理されて、契約の資格を受け継いだのはこのワタクシであって、そこの落ちこぼれ娘は関係ありませんわ。

 

  そういうわけでしてよ!

  さあ、ワタクシと契約なさいっ!

 

 

シャイニー:

  ……。めんどくせーな~~~。

 

 

ステラ:

  はぁ……?

 

シャイニー:

  誰が決めたよ、んなこと~。

  その継承が資格がどうのこうのってやつ、人間が勝手にやってることだろぉ?

  オレっちそんなの知らねーし~!

 

ステラ:

  な、な、なんですって……!?

  そ――それじゃあ……なぜアナタは今この場に現れましたの!

  契約者に選ばれたのがワタクシだからに決まって――。

 

シャイニー:

  ちがうちがーう。

  オレっちの召喚と契約には条件があって、「ロッドとペンダント」が必要不可欠なの。

  今日、たまたま両方そろったからオレっち降臨できただけ。

  契約者を選ぶのは、あくまでオレっちだぜ?

  お分かりデシテ?

 

ステラ:

  く~~~~ッ!

(言葉が出ず、顔が真っ赤になる)

  そ、それでも……でしてよ。

 

  アナタはワタクシと契約すべきですわッ。

  ワタクシは学園首席でハレルランドのお歴々から契約を認められた優秀な妖精使い。

  対して、そこのモニカ・アオゾラは学園の問題児で適性無しの落ちこぼれ!

 

  火を見るよりも明らかですわ!

  ワタクシと契約しなければ、国民が納得しませんことよっ!

 

シャイニー:

  そうなのか?モニカ。

 

モニカ:

  ううぅ……本当だよ。

  今日集まってるみんなも、ステラちゃんがシャイニーと契約するのを楽しみにしてたんだ……。

  やっぱり、あたしじゃダメっぽいかな、あはは……。

 

アサ:

  モニカちゃん……。

 

シャイニー:

  そうなのかー……うーん。

 

ステラ:

  ご理解いただけたかしら!

  さあさあ、部外者は壇上から降りてくださいまし。

  契約の儀式の続きを――。

 

シャイニー:

  モニカ、オメーはそれでいいのか?

 

モニカ:

  え……。でもあたしなんかが契約しちゃったら、みんなが……。

 

シャイニー:

  皆じゃねぇよ。オメーの心に聞いてんだぜ、オレっちは。

  "オメーは"どうしたいんだ?

 

モニカ:

  っ……!あたしは……。

 

ステラ:

  何をもたもたしてますの、モニカ・アオゾラさん!儀式の邪魔ですわ!

  えーっと、太陽の妖精。確かアナタ言ってましたわよね?

  契約に必要不可欠なのは……。

 

 

担任:(被せる)

  ――――ペンダントとロッド。だったか。

  なるほどなぁ……どうりで今の今まで姿を現さなかったわけだ。

 

  つまり――(いつの間にかアサの背後に)

 

アサ:

  ……先生?きゃあッ!?

(シャイニーロッドをもぎ取られる)

 

担任:

  どちらか一つでもアイテムが欠ければ、契約は果たされない――。

  そういうことだな?

 

モニカ:

  え……センセー?

 

ステラ:

  な、何をしていますの……?

  ツキカゲ先生、ロッドをこちらにくださいましっ、契約ができませんわ。

 

 

担任:

  先生、か……。(嘲笑う)――――このマヌケが。

 

 

☆◇モニカ・ステラ・アサ:

  ッ――!?

 

担任:

  フッ、契約なぞさせるか。

  妖精共にも、貴様らハレルランド人にも、

もっと悪夢を味わってもらわなくては面白くない。

 

シャイニー:

  その口調……オメー。

 

ステラ:

  何を……いえ!(担任に杖を向ける)――アナタ、何者ですのッ!

 

担任:

  華麗に名乗りを上げるならば、相応の舞台が必要だ。そうだろう?

 

ステラ:

  『アース・エレメント』!!

  ピクシープラントよ!奴を拘束なさい!!

 

(大量の植物の根が担任に襲い掛かる)

 

担任:(ふわりと回避し、集会場の屋根に着地)

  おっと!危ない危ない。

  強力な呪文だがノロマな詠唱で助かった。さすがは優等生。

 

ステラ:

  くっ!!

 

担任:

  では諸君。ご照覧あれ。

  今宵この満天の"夜(せかい)"を、我が君に捧げよう……!

(呪文を唱える

  グナーイン……グナーイン!

  降りろ――――『ミッドナイト』。​

(間)

 

(フェアリー学園を、黒いトバリが包み込む)

 

アサ:

  うぅ、急に……すごく眠たく。

  こ、これって……。

 

ステラ:

  逸話にあった、闇のトバリ――!?

  うっ……身体の力が……この、ワタクシが……。

(眠気で膝から崩れ落ちる)

 

取り巻き令嬢A:

  お、御姉様……!お逃げください、まし……。

 

取り巻き令嬢B:

  ZZZ……!(凄まじいイビキ)

 

モニカ:

  アサちゃん!ステラちゃん!

  っ……みんな!?

 

シャイニー:

  モニカ、オレっちから離れるなよ!

  他のやつみたいに眠っちまうぜ!

 

モニカ:

  シャイニー!

  みんなどうしちゃったのっ!?

  あたしは何ともないよ!

 

シャイニー:

  トバリの中は、夜の呪いで満たされてる。

  人間も妖精も大地も、成すすべなく眠っちまうのさ。

  オメーが平気なのは、オレっちの光で守られてるからだ!

 

モニカ:

  アサちゃん!ねえ、アサちゃん!ステラちゃんってば……!

  だめだ……全然起きないよ。

 

シャイニー:

  無理だ。何をしたって、ずっと眠り続けるぜ。

  それがトバリの力なんだ。

 

担任:

  イエス、邪魔者にはご退場頂いた。

  スヤスヤと、永劫の悪夢の彼方へ、グッナ~イン。

 

モニカ:

  なんで……どうしてこんなことするの、センセー!!

 

担任:

  話を聞いてなかったのか?先生はお遊びだ、バカめッ。

  グナーイン!!

(黒い瘴気に包まれ、姿が変わっていく)

 

シャイニー:

  シャイニングだぜっ……!真っ黒な月の仮面……ってこたぁ。

  やっぱオメー、人間じゃねぇな。

 

 

ファントム:

  フッ――我が名は「ナイトファントム」!

  ナイトパレスの大幹部にして、月の女王の第一のしもべ!

 

  マイクイーンの命により、貴様を出迎えに上がった。

  ここの人間共をひどい目に合わせたくなければ、

おとなしく捕まるがいい――太陽の妖精。

 

 

シャイニー:

  そのセリフはウン百年前にも聞いたぜ?

  テメーらオレっちのストーカーかよ~。モテモテ過ぎて辛ぇな~。

 

モニカ:

  シャイニーを捕まえる?

  そんなことして、どうするつもりなの。

 

ファントム:

  貴様のような脇役には関係ない。そこで舞台を眺めていろ。

 

モニカ:

  関係あるよっ!

  だって……だってあたしは……。シャイニーと……。

 

ファントム:

  ……ふーん。その不安そうな表情。イイナ。

  必死さの中に隠れた、深い自信の無さが伝わってくるぞ。

  俺が見たいのはソレだ。

 

モニカ:

  え……?

 

ファントム:

  周りの眠った連中を見てみろ。

  苦しい、悲しい、痛み、怒り、不満……そして恐怖!

 

  そんな絶望的に歪んだ顔を我が城に並べてコレクションする。

  それが俺の望みだ。

 

モニカ:

  ひどいよ……そんなことのためにみんなを!

 

ファントム:

  おお、いいぞその顔!

 

  まだまだこんなものではないぞッ!

  太陽の妖精を我が君に差し出せば、世界中の人間を絶望のどん底に突き落とせる!

  あの方はそう約束してくれた!!

  その日が待ち遠しくて堪らないッッ絶望のパラダイスだ!!!

  フッハハハハ!!

 

シャイニー:

  ゲス野郎め……。

 

モニカ:

  ――させないよ。そんなの。

(シャイニーを庇うように立つ)

 

ファントム:

  ……何の真似だ。

 

シャイニー:

  モニカ……?

 

モニカ:

  行っちゃダメだよシャイニー。

  誰かの犠牲になるなんて……そんなの、全然グッドじゃない!

  あの悪い奴は、あたしがどうにかする。

 

ファントム:

  どうにかできるのか?この俺を?

  学園の人間はみんな眠った。助けも来ない。動けるのは貴様たった一人。

  ククク、落ちこぼれに何ができる。 

 

モニカ:

  それでも戦うよ、シャイニーは絶対渡さない。帰って!!

 

ファントム:

  っ……!!(モニカの輝く目に、寒気を抱く)

 

シャイニー:

  本気か、モニカ?

  契約できないオレっちは力を貸せないんだぜ。

  逃げたって、怒んないぜ。

 

モニカ:

  ……シャイニーとはさっき出会ったばっかりだけど、なんでか分かるんだ。

  ちょっと似てるからかな。今のシャイニーは、シャイニーらしくない!

  つまり、あたしらしくない!

 

シャイニー:

  ――っ!

 

モニカ:

  どんな時でも、太陽みたいに明るく元気に!それが!!

  きっとあたし達のモットー、でしょ!

 

シャイニー:

  ……………ああ。そうだぜ……!

  シャイニー!分かってんじゃねーかモニカ~!

  さすがはオレっちが見込んだ奴だ!

 

モニカ:

  えへへ、それほどでも~。

 

シャイニー:

  でも、戦うったってどうすんだー!

  正直に言うと、エレメントが使えないのは厳しいぞ?

  オレっちも今のままじゃ、ただのふわふわ漂うマスコットだし~。

 

モニカ:

  うぐ。面目ない……。

  でもでも大丈夫!グッドアイデアがあるよ!

 

シャイニー:

  おおおお!なんだなんだ言ってみろ~!

 

モニカ:

  あたしがシャイニーと契約して、

なんかすっごい力でドッカーンってすればいいんだよっ!!

 

シャイニー:

  ズゴーー!すっごい力でドカーンってなんだ~!期待して損したー!

  だから~、オレっち今契約できないんだっつーの。

  契約にはロッドとペンダントのセット!

  ロッド、アイツに取られてんじゃん!

 

モニカ:

  うん!だからだよ。

  あいつからロッドを取り返して、契約する。

  それで全部解決でしょ?

 

シャイニー:

  っ……。なるほどな。

  シャイニングなアイデアだぜ……!

  やれるのか、モニカ!

 

モニカ:

  あたしを誰だと思ってるの!

  いたずらっ子なカラスに比べればあんな奴、どうってことないよ!

 

シャイニー:

  それもそうだなぁ!

(ファントムに向かって)

  テメーなんて大したことないよ~だ!べろべろべー!

 

モニカ:

  あたし達、戦うよ。

  アンタなんて全然怖くも何ともないもん!

 

  悔しかったらみんなを元に戻して、さっさとお家に帰りなさい!

 

 

ファントム:

  ………………。(青筋が震える)

 

  その根拠の欠片もない「希望」とやらに満ち溢れた顔。

  虫唾が走るッ。俺がこの世で最も嫌いな感情だ。

 

  この俺を前に、大したことないだとッ……?

  怖くないだとッッ……!?

 

ファントム:

  ――いいだろう!!

  そんなに知りたければ、教えてやる!

 

  己が目に映る貴様等の絶望を――!

  夢に見る極上の悪夢を今――見せてやろうッ!

 

  『ミッドナイト・グナーイン』――!!

 

(生徒達から黒い瘴気が巻き起こり、空間に集まっていく)

 

モニカ:

  なに、あれっ!?

  みんなの身体から、黒い煙が出てきて、集まって……! 

 

シャイニー:

  気を付けろモニカ!

  なんか、ヤベェのがくるぜ……!

(呪文を唱えるファントム)

ファントム:

  グナーイン……グナーイン!

  現れよ―― 悪 夢 魔 人 オ ヤ ス ミ ン !!!

 

〇◎モニカ・シャイニー:

  ッ――!!

 

(※ファントム役 or シャイニー役の人が、やってもやらなくてもOK。事前に話し合ってください)

オヤスミン:(咆哮)――オォォォ!!オヤスミィィィィィィィイン!!』

ファントム:

  戦慄しろ、存分に味わえ。我が夢魔の恐ろしさを。

―――

 

――

 

 

シャイニー:

  で、デッケェ……!なんじゃコイツ~~ッ。

 

ファントム:

  人間の悪夢……負の感情をエネルギーに産み出した魔人。

  俺の最高傑作さ。

 

  やれ、オヤスミン!!

 

モニカ:

  まさか、そいつでシャイニーを捕まえる気……!

  シャイニー危な――。

 

シャイニー:

  違うぜ!!アイツの狙いは――!

 

ファントム:

  貴様だ、モニカ・アオゾラ。

  オヤスミン!悪夢ビーム――発射ァッ!!

 

(※オヤスミン:『オヤスゥゥゥ―― ミン ミン ミン ミン ミン ミン !!』

 

モニカ:

  っ――!?

  きゃぁぁあ!!!(ビームが直撃する)

 

シャイニー:

  モニカッッ!!

 

モニカ:

  うぅっ……しゃ、い……。(眠くなり、倒れる) 

 

ファントム:

  俺の前で希望を抱いた罪だ。

  深い夢の底で後悔し、永遠に絶望しろ。フッ――――。

―――

――

―​​

【場面転換、モニカの夢の中】

 

モニカ:

  ――……あれ。ここ、どこ……?

  シャイニー~!アサちゃ~ん!みんなどこ~!

 

 

女生徒A:

  ねぇねぇ聞きまして?あの子の噂。

 

モニカ:

  ……っ!?

 

女生徒B:

  学園の落ちこぼれ、モニカ!

 

女生徒A:

  迷惑な恥さらし、モニカ!

 

取り巻き令嬢A:

  いっつも問題を起こしてばかり!いい加減におし!!

 

取り巻き令嬢B:

  目障りよ!やる気がないなら今すぐ学園から消えて頂戴!!

 

女生徒B:

  この無能!!話しかけないでくれるかしら!

 

女生徒A:

  劣等生!!同じ空気を吸わないでくださいまし!

 

 

モニカ:

  っ……これは夢……これは夢、これは夢……!

  み、みんなのところに戻らなきゃ。

 

アサ:

  …………モニカちゃん。

 

モニカ:

  あ、アサちゃん!?ここにいちゃダメだよ、一緒に逃げよ!

 

アサ:

  ……モニカちゃん、すごい妖精さんを見せてくれるんだよね?

 

モニカ:

  え……。

 

アサ:

  ……適性ないのに、どうやって妖精さんと契約するの?

 

モニカ:

  それは……シャイニーと……!

 

アサ:

  噓ばっかり。できっこないよ、だってモニカちゃん。

 

  ……落 ち こ ぼ れ な ん で し ょ ――?

 

モニカ:

  ……ッ!!

 

ステラ:

  ……モニカ・アオゾラ。

 

モニカ:

  ステラ、ちゃん。

 

ステラ:

  貴女が落ちこぼれで適性無しなのは当然ですわ。だって貴女。

 

  (邪悪な笑み)……妖精から嫌われているんですもの。

 

モニカ:

  ッ……で、でも、シャイニーは……。

 

ステラ:

  誰が望んでいまして?

  だーれも貴女になんか、期待していませんわ!!

 

  貴女は退学よ。二度と学園に関わらないでくださいまし――。

 

(全員消えて、一人ぼっちになるモニカ)

モニカ:

  …………。

 

ファントム:

  ――――ククク。理解したか?

  これが皆の本心だ。貴様の存在は邪魔でしかないんだってよ?

 

  元気や明るさで取り繕っても、心の奥底では誰かに自分を見つけて貰う事を求めている。けれど誰からも認められない、だから常に空回りする。愚かな少女。

  それがモニカ・アオゾラだ。

  可哀そうに……。

 

  しかし安心しろ。一つだけ、貴様を救う方法があるぞ?

 

モニカ:

  …………。

(ファントムを見つめる)

 

ファントム:

  ……現実で認められないのなら――戻らなければいい。

  ここは素晴らしいぞ。貴様だけの夢の世界だ。

 

  貴様を認めてくれなかった世界を、ここで好き放題に滅茶苦茶にしても、誰にも 咎(とが)められない。胸の内に溜め込んでいた薄暗い欲求を、ここなら自分勝手に爆発させられる。そうだろう?

  ずっとここに居ようぜ?

 

モニカ:(目に闇が灯る)

  …………。

 

ファントム:(包み込む優しい声)

  ふふっ、何も難しいことはないさ。

  ここにいる俺もまた、貴様の夢の中の住人。

  俺がこれからずっと、そばにいてやろう。

  そして教えてやる――現実に 蝕(むしば)まれた自分の……壊し方ってやつを。

 

  さあ。(モニカに手を差し出す)

 

モニカ:

  ここで……ずっと……。

(ファントムの手を取ろうとする)

 

 

幼モニカ:(泣きじゃくる子供)

  ――――おばあちゃぁぁぁぁぁぁん!

 

 

モニカ:

  ……っ!

 

お婆ちゃん:

  よしよし。またこんなに泥だらけになってぇ。

 

幼モニカ:

  みんなひどいよぉ!モニカのことうるさいって!あっちいけって!

  たのしくあそんでただけなのにぃ!

 

お婆ちゃん:

  モニカは他の子より人一倍わんぱくだからねぇ。

  あたしは元気なモニカが一番好きだよぉ。

 

幼モニカ:

  やー!モニカ、げんきヤメるぅ……!

  みんなといっしょがいいよぉ……。

 

お婆ちゃん:

  モニカが元気なのは、健やかな 印(しるし)なんだよ。

  あの太陽さんも、元気いっぱいに輝いているだろぅ?

 

幼モニカ:

  たいよーさん?

 

お婆ちゃん:

  きっとお空の太陽さんも、元気で晴れやかなモニカが大好きなんだよ。

 

幼モニカ:

  なんでー?なんで――

 

 

モニカ:

  ――なんでわかるの。お婆ちゃん。

 

 

お婆ちゃん:

  それはねぇ。この石が輝いてるからさぁ。

 

幼モニカ:

  それなにー!?ひかってるよ!

 

お婆ちゃん:

  さあねぇ。もしかすると、太陽さんの落とし物かもしれないねぇ。

  だってほら。モニカの笑顔みたいに、 燦燦(さんさん)と光っているよ。

 

幼モニカ:

  わぁぁ……。

  たいよーさんも、サンサンしてる?

 

お婆ちゃん:

  ああ。太陽もサンサンで、晴ればれしてるよ。

 

幼モニカ:

  たいよー、さんさん!はればれー!わぁぁあ!――。

 

(幼いモニカが笑顔で走っていき、消えていく)

 

 

モニカ:

  ……。思い出した。あのペンダントは、お婆ちゃんの。

 

 

お婆ちゃん:

  んふふ。(今のモニカの方を見つめる)

  ……ずっと持っていてくれたんだね。

 

  モニカなら、きっと大丈夫だよ。

  明るくて元気な、あたしの自慢の子。

 

  そんなモニカが、みんなちゃんと大好きだよ――――。

 

(お婆ちゃんが消えていく)

モニカ:(目に煌めきが宿る)

  っっ……!!✨

 

アサ:

  モニカちゃん!

  早く素敵な妖精さんに会いたいね~、一緒に見つけようよ!――。

 

モニカ:

  ……うんっ。

 

ステラ:

  モニカ・アオゾラさん!

  いつまで寝ているつもりでして、責任もってこの状況なんとかなさいッ。

  貴女がいなかったら……ワタクシは誰に張り合えばいいんですのっ――。

 

モニカ:

  うんっっ。

 

シャイニー:

  ――モニカ。

 

モニカ:

  シャイニー……。

 

シャイニー:

  みんな、ちゃんとオメーを見てるぜ。

  じゃあ。オメーはどうしたい。帰ったら答えを聞かせろよなー!――。

 

(みんなが霧のように消えていく)

 

 

モニカ:

  ……みんな。お婆ちゃんっ✨

 

(気が付くと、手の中にペンダントがある)

(ペンダントを握りしめるモニカ)

 

ファントム:

  ……。何をためらってるッ。

  悔しくないのか!?貴様を落ちこぼれだと 罵(ののし)った皆に、

仕返しできるチャンスなんだぞ!!

 

モニカ:

  ――うん。あたしは学園の落ちこぼれ。

  授業の実験ではいっつも失敗するし、動いてないと気が済まなくて、うるさい奴ってよく言われる。妖精の適性もない。

  それが、あたし。

 

  他でもない、あたし自身が認める、大好きなあたし!

 

ファントム:

  なんだとッ……!

 

モニカ:

  良いところも悪いところも、ぜんっぶ合わせて、あたしらしさなの!

  誰になんて言われても、関係ないもんっ!

  どんなにダメでも、バカでも!失敗しても、落ちこぼれでも!!

 

  アンタの誘いに乗るようなあたしは、あたしらしくない――!!✨✨

 

(ペンダントが光の閃光を放つ)

 

ファントム:

  グッッッッ、バカなァ!?!?

  俺の悪夢の中で、ナゼ――!?

 

 

モニカ:

  どんな時でも、モーニングッド!

 

  ――それが、モニカ・アオゾラだよっ!!

 

 

ファントム:

  ソンナ――バカナァァッッッ――――!!!

 

(光の中に消滅する)

 

(間)

【場面転換、現実のフェアリー学園】

 

シャイニー:

  くっそ!おい、放せよ~!!

(オヤスミンに捕まっている)

 

ファントム:

  フッ、華麗に任務完了。

  それではゆこうか。我らが常闇の世界、ナイトパレスへ――。

 

 

モニカ:

  ……――✨✨(倒れているモニカのペンダントが光りの閃光を放つ)

 

 

ファントム:

  ……ッ!?

 

シャイニー:

  っ!!モニカ……!

 

アサ:(光に当たり、目覚める)

  ……モニカ、ちゃん。

 

ステラ:(光に当たり、目覚める)

  っ…………!

 

シャイニー:

  あれは、オレっちと同じ光……!

  こりゃシャイニングだぜーーーっ!

 

ファントム:

  どういうことだ。

  なぜ俺の悪夢から目を覚ませる……!?

 

 

モニカ:(立ち上がる)

  ――どんな夢も、いつかは覚めるんだよ。

  苦しいことなんて忘れて、朝が来たら起きあがれるの……!

 

  あったかくてぽかぽかな太陽の日差しが、みんな大好きだから!!

 

 

ファントム:

  戯れ言を……!

  起き上がったところで、貴様一人に何ができる!!

  このロッドがなければ契約もできまい!

 

アサ:

  ひとりじゃないよ、モニカちゃん……ッ!!

(いつの間にか駆け出し、ファントムの持つロッドにしがみつく)

 

ファントム:

  なッロッドを!?手を放せ小娘!!

 

モニカ:

  アサちゃんっ!

 

アサ:

  負けちゃだめだよ、モニカちゃん!

  先生、日差しが苦手って言ってたの……!

  え、えれめんと!光の妖精さん、ほんの少しでいい、光って!

(しがみついたロッドに唱える)

 

ファントム:

  キィ、呪文もマトモに言えないカスが!邪魔を――。

 

 

ステラ:

  お手柄でしてよ――『ライト・エレメント』!照らしなさいッ!!

 

(二人のそばまで来ていたステラがアサの手を握り、唱える)

(一瞬、ファントムの目の前に温かい光が生まれる)

 

ファントム:

  ぐあぁぁっっ!?ヤメロッッ……!

(ロッドを手放し、光から逃げる)

 

(※オヤスミン:『オヤスミンンンンッ!?!?』

(光にビックリして、シャイニーを手放すオヤスミン)

 

シャイニー:

  っぷは、ガッツ・シャイニーング!でかしたぜ二人とも!

 

ステラ:

  今ですわクラインさん!シャイニーロッドを!

 

アサ:

  はいっ!

  ……モニカちゃん!

 

モニカ:

  ……っ!

 

アサ:

  夢の中で、ひどいこと言っちゃってごめんね……!

  落ちこぼれとか、適性がないとか、私そんなの気にしないよっ!

  だってモニカちゃんは……こんな私なんかをいっぱい助けてくれた、とっても心が温かい人なんだって知ってるから!

 

  だから、私と――お友達になってくださぁぁぁぁい!!

(モニカにロッドを投げる)

 

モニカ:

  アサちゃん――!!

  ……なーにいってるのっ!あたしとアサちゃんは、もうとっくに友達だよ!!

(ロッドをキャッチする)

 

アサ:

  っっ……!!

 

ステラ:

  ……まったくもって。酷い夢を見ましたわぁ。

 

モニカ:

  ステラちゃん……!

 

ステラ:

  このワタクシともあろうものが、あのモニカ・アオゾラを鼓舞するだなんて、

まさしく悪夢でしてよっ……!

  ……もう少し、この悪夢も続きそうですわ。

 

  ――モニカ・アオゾラッ!

  これは貸しでしてよ。奴を何とかしてみせなさい!

  それくらい出来なくては、ワタクシと張り合おうなんて100年早くってよっ!

 

モニカ:

  うんっっ!まっかせてよ!!

 

シャイニー:

  モニカ~~~!

 

モニカ:

  シャイニー!!

 

シャイニー:

  ……ムッフフ!

  寝起きにしちゃぁ、シャイニングな笑顔じゃねーの!

 

  どうだ。オメーのやりてぇこと、聞けそうか?

 

モニカ:

  うん。あたし、もう迷わないよ。

  自分に嘘はつかない!

 

  このペンダントみたいに、あたしらしく輝ける妖精使いになるっ!

  他のことは、なるよーになれだー!

 

シャイニー:

  シャイニー!そうだぜ。

 

 (ボソッと)――だからオメーを選んだんだ。

ファントム:(青筋)

  …………茶番はもう十分か、クソ共ッ。

 

(※オヤスミン:(咆哮)オォォォヤスミィィィィィィィイン!!』

 

 

〇◎モニカ・シャイニー:

  っ――!!

 

ファントム:(青筋)

  俺は、あくまで紳士的に任務を達成するつもりだった。

  乱暴なことは嫌いなタチでな……。

  だが、忌々しく希望に満ちた貴様らの顔はッ!それ以上に嫌いだッッ!!

ファントム:

  オヤスミン!!

  もう暴れてもかまわん!コイツらに悪夢よりも恐ろしいものを見せてやれ!!

 

アサ:

  モニカちゃんっ!!

 

ステラ:

  来ますわよッ!

 

(※オヤスミン:(咆哮)オヤスミィィィィィィィイン!!』

 

モニカ:

  シャイニー、あたしの!

  ――モニカのパートナーになってよ!

 

シャイニー:

  シャイニーング!!その言葉、待ってたぜェェ!

アンカー 1



【✨モニカ変身バンク✨】(BGMをかけると激アツ♪)

 

シャイニー:

  シャイニ~~ッ!!

  太陽の妖精の名において! 契約を執行するっ!

 

モニカ:

 『 フ ェ ア リ ー コ ン ト ラ ク ト 』――!!✨

 

(二人の世界が光に包まれる)

 

シャイニー:

  気合い入れてくぜぇ、シャイニー・ウォッチモード!

(シャイニーがウォッチに変化、モニカの手首に出現)

 

モニカ:

  お日様ペンダント、セット!

(ペンダントをウォッチの軸にセット)

 

シャイニー:

  太陽のペンダントウォッチ!!

  レッツ――!

 

モニカ:

 『ウェイクアップ』!

 

(ウォッチの秒針が高速回転し、モニカを太陽の魔法陣が包む)

(そして針が6時を指し示し、光を放つ。見た目と衣装が変化していく)

 

モニカ:

  太陽さんさん、晴ればれチェンジっ!

 

  ――ふぁんたじっく! マギアサンシャイン!!

 

 

モニカ:(空高く跳び上がって、晴ればれポーズ)

  煌めく朝日にレッツ! モーニングッーード♪✨✨

 

―――

 

――

 

ステラ:

  なんですの……あの姿……っ。

 

アサ:

  かわいい……!

  かわいくて――かっこいいい……っ!!

 

ファントム:

  マギア……サンシャインッ!?

  なんだ、その――。

 

 

〇◎モニカ・シャイニー:

  なにこれええええええええええ!?!?

 

 

モニカ:

  えぇぇ!?

  なにこの服!髪ながっ!色も違う!

  それになんか……すっごくキュートだよ!?

 

  見て見てシャイニー!

  ……って、シャイニー?どこー?

 

シャイニー:(モニカのペンダントウォッチ)

  オレっちはここだああああああ!!

 

モニカ:

  うえぇ、ウォッチから声が!シャイニーなの!?

  どゆことー!!

 

  これって、フェアリーコントラクトなの……!?

 

シャイニー:

  オレっちにもさっぱりだぜ!

  なにせ契約自体、数百年ぶりだからよぉ。

  こんなだったっけか~?一応、契約は成立してるっぽいけどぉ。

 

モニカ:

  えぇ……まあ。(自分の姿を見返す)

  ……かわいいから良しとします!

 

シャイニー:

  う~~ん……。

  ま、それもそうだなー。これでも問題ねーだろ。

 

ステラ:

  おおアリですわよッッ!!

  こんな妖精契約は前代未聞……聞いたこともありませんわっ!

 

  ぬわぁんでフェアリーコントラクトで姿が変わるんですのよ!?

 

アサ:

  いいなぁ、モニカちゃん……!

  私も変身できるかなー?

 

ステラ:

  ありえませんことよっ!

  モニカ・アオゾラが異常なだけですわ……!

 

 

ファントム:

  …………訳が分からん。

  マイクイーンは、こうなることを恐れていたのか……?

 

  まあ何でもいいさ。

  たかが小娘の姿が変わっただけに過ぎん!

 

  オヤスミン!その落ちこぼれを痛めつけてやれッ! 

 

シャイニー:

  来るぞモニカっ。

 

モニカ:

  あわわわ!どうすればいいの!?

 

シャイニー:

  何でもいいから攻撃を 避(よ)けろ!

 

(※オヤスミン:(巨大な拳を放つ)オヤスッッ、ミン!!

 

モニカ:

  ジャ、ジャーーーーンプっ!!(天高く跳び上がる)

 

(※オヤスミン:オヤスッッ!?

 

ファントム:

  なにッ!?

 

ステラ:

  なんですの、あのジャンプ力ッ!?

 

モニカ:

  うわー!すっっごすぎだよ~~!?(自由落下)

 

シャイニー:

  浮かれてる場合じゃねえぜ!

  ほら 避(よ)けろ 避(よ)けろー!

 

(※オヤスミン:(連続で拳を放つ)ミン!ミンミン!!オヤスミンッ!!

 

モニカ:

  うわっとっとっと~!(落下中に攻撃が迫る)

  ホップっ!(避ける)

  ステップっ!(避ける)

  ジャーンプっ!!(避ける)

 

ファントム:

  なぁッ!?空中を駆け回っている……だとぉぉ!

  何が起こっている!?

 

アサ:

  すごいよモニカちゃんー!がんばってー!!

 

モニカ:(空をステップしていく)

  なんだか、ちょっと分かってきたかも!シャイニーの力!

 

シャイニー:

  シャイニーング!身体も温まってきたみたいだなモニカ!

  まだまだこっからだぜっ!

 

ファントム:

  なんつー動きだ……理解不能だ!

 

  もういいオヤスミン!

  もう一度、悪夢ビームを食らわせてやるッ!!

 

シャイニー:

  さっきのやつが来るぞ!

  エレメントを唱える時間がねぇ、避(よ)けられるか?

 

モニカ:

  大丈夫っ!一緒にすれば、なるようになる!

 

シャイニー:

  ッ!そういうことか……!

 

ファントム:

  さすがにこれは避けられまい!ビーム発射ッ!

 

シャイニー:

 『サンシャイン・エレメント』!

 

(※オヤスミン:オヤスゥゥゥ――ミンミンミンミン!!

 

モニカ:

  ――『ぽかぽかシールド』!!

(瞬時に出たヒマワリのバリアが、ビームとぶつかり防ぎ続ける)

 

(※オヤスミン:ミン!?ミンミンミンミンンンン……ゼェ、ゼェェ

(ビームが切れてしまう)

ファントム:

  バカな、詠唱を分割しただと!?

シャイニー:

  シャイニーング!

  一緒にすれば、なるようになるだぜ~!

 

ファントム:

  小賢しい真似を……!

 

  フッ、だが逃げてばかりでは倒せないぞ?

  オヤスミンは学園全ての人間からエネルギーを吸収しているのだ。

  その程度のエレメントでは傷一つ付けられまい!

 

ステラ:

  モニカ・アオゾラ!

  反撃しないことには何も始まりませんわッ!

 

 『アース・エレメント』!『アクア・エレメント』!

  マッドピクシーよ!魔人の足を拘束なさい!!

 

(地面が深い泥になり魔人の足を沈めていく)

 

(※オヤスミン:オヤスゥ……?

 

モニカ:

  ステラちゃん!

 

ファントム:

  足止めのつもりか?無駄だ。攻撃なぞ通じん。

 

  構うなオヤスミン、ビームをチャージしろ!

  最大火力で奴の着地を狙え!!

 

(※オヤスミン:(チャージ中)オヤスゥゥゥゥゥゥ――――

 

ステラ:

  くっ、あの魔人にエレメントは効きませんわ……!

  どうするつもり!?

 

シャイニー:

  関係ねーぜ……こっちも最大火力だ!

  ぶちかませモニカァ――!

 

 

モニカ:

  いっくよおおおー!!

(拳をぎゅっとにぎる)

  ハァァァ!

  お日様ッッッパンチ――――ッ!!

(※オヤスミン:(直撃し地面に叩きつけられる)オヤスブゥァッッ!?

 

ファントム:

  はあああああ!?!?

 

モニカ:

  お日様ッッッキーーーック――ッ!!

 

(※オヤスミン:(吹っ飛ぶ)『オギャァァァァッ!?』

 

ファントム:

  ぐぉぉぉぉ!?

 

ステラ:

  パンチって、キックって……っぷ、ふふ!

 

ファントム:

  ……クソ!なんてデタラメな奴だ、ホントに妖精使いか……!?

 

シャイニー:

  サイコーにふぁんたじっくな攻撃呪文だぜ~!

  名付けて、モニカ・エレメントっ!!

 

ファントム:

  そんな呪文など無い!

  バカにしやがってッ……何をしている!立て、オヤスミン!!

 

(※オヤスミン:(目がぐるぐる)『オォ……オヤスゥゥ……』

 

ファントム:

  チィッ、役立たずめが!

  そういうことか……マイクイーンは、こうなることを危惧して……!

 

  クソッこうなったらもはや、俺自ら――!

 

モニカ:

  ううん。終わりだよ!

 

ファントム:

  ッ……!?

 

モニカ:

  オヤスミンはもう動けないんでしょ?

  だったらアナタの負けだよ!

  だから――諦めて帰りなさいっ!

 

ファントム:(青筋が立つ)

  ……………………ハァ?

 

ステラ:

  ……な、何を言っていますの、モニカ・アオゾラ!

  奴は月の女王のしもべと名乗ったんですのよ!なら倒すべき敵でしてよッ!?

 

モニカ:

  そうかもしれないけど、あたしはみんなとシャイニーを守るために契約したの。

  誰かを傷つけるために戦いたいわけじゃないっ!

 

  シャイニーもそうだよね?

 

シャイニー:

  オレっちは、モニカの意志に従うぜ~。

  そいつが危険な野郎なことには違いねぇけど、

モニカが倒さないってんなら、倒さない!とっとと尻尾巻いて帰りなぁ!

 

ステラ:

  あ、アナタたち……まったく。(溜息をつく)

 

アサ:

  私も……!モニカちゃんに賛成だよ。

  先生もちょっぴり、かわいそうだし……。

 

ファントム:

  ギィッ…………!

 

モニカ:

  グッド!そういうことっ!

 

  だから――ファントム。

  もうこんなことやめてさ、みんなを元に戻して、アナタのお家に帰って休もう。ね?

 

 

ファントム:

  そんな無様な真似ができるかァア――ッ!!

 

 

モニカ:

  っ!?

 

ファントム:

  どいつもこいつも……この甘ったれ共がッ!

  何の成果も上げずに、ノコノコと帰れるわけがないだろうが……!

 

  俺は大幹部ナイトファントムだッ、マイクイーンに愛されし右腕なんだッ!

  忠義を果たさなければ、俺の存在する意味が――。

 

モニカ:

  その、マイクイーンさんが……怖いの?

 

ファントム:

  ッッ……!!

  な、なにをほざいて。

  俺は、マイクイーンの寵愛を受けているのだ……!

  忠誠は誓っても、我が君を恐れるなどっ。

 

モニカ:

  だって、すごく顔色が悪いよ。

  帰ったら怒られるの?アナタのお家なのに?

 

ファントム:

  ……ガキには分からん世界だッ。

 

モニカ:

  わかるよ!

  アナタ、ずっと不安で怯えてる。いじめられてた あたしみたいに。

  傷つきたくないって聞こえるよ……!

  だから、帰れないの?

 

ファントム:

  知ったような口を聞くなッ、貴様に俺の何が――。

 

モニカ:

  ……あたしは、アナタも心配だよ。

 

  ――ねぇ。大丈夫?

 

 

ファントム:

  ――――!

 

 

(間)

【ファントムの記憶】

(※ステラ役の人が、やってもやらなくてもOK。事前に話し合ってください)

幼い声:――こんなところでどうしたの。大丈夫?

(間)

 

 

ファントム:(頭痛)

  ――――グッ!?ウゥゥ!!

 

モニカ:

  っ……!?どうしたの!!

 

シャイニー:

  離れろモニカ、様子がおかしいぜっ!

 

ファントム:

  …………ヤメロ。俺にそんな目を向けるなッ。

  マイクイーンは望んじゃいない!

  我が君は……我が、ヨルトバーリ様の望みは……!

 

アサ:

  先生……!

 

ファントム:

  ……果たさなければ。あの方の望みを。どんな手を使ってでも――。

(詰め寄り、アサに掴みかかる)

 

アサ:

  きゃぁぁあッ!?

 

モニカ:

  アサちゃん!!

 

ファントム:

  近寄るなッッ!コイツがどうなってもいいのか!!

 

ステラ:

  クラインさんっ!

 

アサ:

  う……うぅぅ!(首を絞められる)

 

シャイニー:

  オメー、正気か……?

 

ファントム:

  なんとでも言え。俺は使命を全うしなければならない!

 

  モニカ・アオゾラ!

  コイツを解放して欲しければ、太陽の妖精をよこせッッ!

 

アサ:

  ぐ……ううぅぅ――。

 

モニカ:

  だめだよ、ファントム……!(心配そうに見つめる)

 

ファントム:

  そ、そんな目で俺を見るな!俺を憐れむな……!!

  俺は何としてでも……それだけが、オレの――。

 

 

 

アサ?:

  ――――――……無様ね。

 

 

 

ファントム:

  な……なんだとッ!

アサ?:

  いつまで待たせるつもり?時間が掛かり過ぎよ――愚図が。

 

ファントム:

  ――――ッッ!!(血の気が引く)

  そ、その、お声はッ……!?

 

アサ?:

  気になって来てみれば、貴様。私の前でどこまで醜態を晒せば気が済むの。

  ――――控えろ。

 

 

ファントム:

  は、ハハァァァァァッ!!(地面に深く平伏する)

 

 

〇☆モニカ・ステラ:

  ッ……!?

 

ファントム:

  面目次第もございません……!

  しょ、少々イレギュラーな事態が……。

 

アサ?:

  言い訳は無用。

  この私を失望させないで。

 

  お前はもう何もしなくていいわ。トバリを維持しなさい。

  私は――奴と話してくるわ。

 

ファントム:

  ぐっっっ……。(下唇から血が滴る)

 

  イエスッ、マイクイーン……ッ!!

 

 

モニカ:

  ……アサちゃん、なの?

 

ステラ:

  その目は飾りですのっ、モニカ・アオゾラ。

  アレのどこが、クラインさんでして……!

(アサに杖を向けるが、震えが止まらない)

 

アサ?:(闇のオーラが漂う)

  ……ふふふ。

 

  400年ぶりかしら――忌々しい妖精王。

 

シャイニー:

  よお~。オメーも相変わらずだな、魔女っ娘。

 

アサ?:

  年長者は敬うべきよ、坊や。

 

  私を封印し、仮初(かりそめ)の平和ごっこに興じていたようだけど。

  それも今日でおしまい。

 

  本当の悪夢はここから始まるの。

 

モニカ:

  アサちゃんはそんなこと言わないよ……誰っ。

 

アサ?:

  ――ヨルトバーリ。

  偉大なる月の女王よ。控えなさい、小さな契約者。

 

ステラ:

  月の……女王ッ……!?

  まさか復活していたなんて……!

 

モニカ:

  アサちゃんはどうしたの!

 

ヨルトバーリ:

  この胸の中でグッスリと眠っているわ。

  これからも、永遠にね……。

 

モニカ:

  アサちゃん……!

 

シャイニー:

  オメーこそ、まだ寝ぼけてんじゃねーか?

  力が戻ってないから、その子に憑依するしかねぇんだろ。

 

  寝起きでおめかしが整ってねーんなら出直してきなっ。

 

ヨルトバーリ:

  これで十分よ。

  お前たちはこの子を傷つけられないでしょ。

 

  なら――私を止めることは出来ない。グナーイン!(呪文)

 

(※オヤスミン:『オヤスゥゥゥ……――』

(消滅し、闇のエネルギーに変わってアサの手に収束される)

 

ステラ:

  魔人をエネルギーに……!?

 

  させませんわ――(杖を構えるが)ッ、エレメントが使えない!?

 

ヨルトバーリ:

  部外者は這いつくばってなさい。

 

ステラ:

  ぐぅっっ!!

(闇がステラを押さえつける)

 

ヨルトバーリ:

  派手に、砕け散れ――。

 

(指を鳴らし、エネルギー弾が結界に直撃)

(地響きが起こる)

 

ステラ:

  っっ!?太陽の結界に、ヒビが……!!

 

モニカ:

  そんな……!!

 

ヨルトバーリ:

  この結界もじきに消え去るわ。

  そして再び夜が満ち、月が再臨する――。

 

  ……ッフフフ!ウフフフフフフフ!!

 

  さあ。

 

(音を立てて、結界に巨大な亀裂が走っていく)

 

〇☆モニカ・ステラ:

  ッッ――!!

 

 

ヨルトバーリ:

  暗黒の時代よ――。

 

 

モニカ:

  …………シャイニー。

 

シャイニー:

  なんだ?もしかしてビビッてんのか?

 

モニカ:

  っ……!

 

シャイニー:

  そんな曇り顔――オメーらしくもねーぜ。つまり、オレっちらしくもねー!

 

モニカ:

  ……ッ!あたしたち、らしく。

 

シャイニー:

  ラスボスが出てきて、友達が乗っ取られて、結界が壊されそうになって。

  それがどうした?

 

  そんなの大した問題じゃねーよっ。

 

モニカ:

  ……!✨

 

シャイニー:

  オメーとなら、きっと大丈夫だぜ。シャイニ~!

 

モニカ:

  ……ぷははっ。

  ずっと思ってたけど、シャイニーって結構のんきだよね~。

 

シャイニー:

  その方が楽しいだろー!

  明るくて元気なパワーが世界を救うっ!

  それが、オレっち達の 十八番(おはこ)じゃねーかぁ!

 

  サイコーにシャイニングだぜッ!

 

モニカ:

  ……うん!あたしたち今、サイッコーにグッドだね!!

 

シャイニー:

  おいおいそこはシャイニングだろ~!

 

モニカ:

  グッドだよー!

 

シャイニー:

  シャイニング!

 

モニカ:

  グッド!

 

ステラ:

  アナタ達ッ!!遊んでる場合じゃありませんわよッッ!

 

 

シャイニー:

  ――ほんじゃま。尺も大詰めだ。

  やるか、モニカ!

 

モニカ:

  ――うん。シャイニー!

 

 

(結界の亀裂が広がっていく)

 

ヨルトバーリ:

  ……何ができるというのッ。

  私に攻撃すれば、ダメージはこの子に行く。

 

  この子を犠牲にする以外、お前たちに私の力を止める 術(すべ)はないのよッ!

 

シャイニー:

  誰が決めたよぉ、そんなこと。

 

モニカ:

  アサちゃんも、ステラちゃんも、学園の人もみーんな助けて!

  ハレルランドの太陽を守る!

 

シャイニー:

  それが、オレっちとモニカが契約したサイコーの力――!

 

モニカ:

  それが、あたしとシャイニーの無敵の魔法!

 

 

モニカ:

  ――マギアフェアリーズだよっ!!✨✨

 

 

ヨルトバーリ:

  ッ――――――忌々しい妖精共が!

 

(手に闇のエネルギーが迸る)

 

  ――ここは私の世界だッッッッ!!

  余所者が土足で踏み入るなど、断じて許さないわ――ッッ!!!!

 

  終わらせてあげるッ!!

(エネルギーをモニカ達に向ける)

 

 

シャイニー:

  ノットシャイニ~ング!

  フィナーレにはちーっと早いぜぇ~?

 

  だってよぉ、まだお決まりの "アレ" を見せつけてねーだろ!?

 

モニカ:

  みんなまとめて まるっと解決できる、グッドな方法は一つ!!

 

  ――「なんかすっごい力でっ!ドッカーーーンってすればいいんだよっっ!!」

 

シャイニー:

  かますぜモニカー!!必殺技だぁぁあああ!!

 

 

【✨モニカ必殺バンク✨】

 

シャイニー:

  シャイニ~~ッ!!『ゲット・アップ』!

 

モニカ:

  お日様ペンダント、セット!

(ロッドに太陽のペンダントをセットする。ロッドが光って変化)

 

シャイニー:

  モードチェンジ!「サンシャインロッド」!

 

モニカ:

  お日様・チャージ!!

(ロッドに輝きが集まっていく)

 

シャイニー:

  気合い入れろよォ――フルチャージ!シャイニィィイGOーー!!

 

モニカ:

  サンサンと照らす、煌めく朝日を浴びなさい!

 

ふぁんたじっく✨『 シ ャ イ ニ ン グ ッ ド ! モ ――― ニ ン グ ッ ッ ! ! 』

✨✨✨✨✨

(ロッドから放たれた光の閃光が迸り、トバリ全体を包み込む)

✨✨✨✨✨✨✨

ファントム:✨✨✨✨

  なッッッ――――。✨✨✨

             ✨✨✨✨

ヨルトバーリ:✨✨✨✨✨✨✨✨✨

  そんなまさかッッグッ――――!!!!✨✨✨

 

ファントム:✨✨✨✨

  ヨルトバーリ様ぁぁあああ!!!!(閃光からアサを庇う)✨✨✨✨

  グァァァァアアアッ!!!!✨✨✨✨

 

ヨルトバーリ:✨✨✨✨✨✨✨✨

  グゥゥゥゥゥゥ……!?!?(光に飲まれる)✨✨✨✨

 

  ッッ―――シャイニィィィィイイイイッッ!!

  このままでは終わらせないわ!!!いつか必ず――ッッ!!

 

シャイニー:

  またぶっ飛ばしてやるからよ~~、いつでもかかってきなァ!!

  あばよーーーーロリババア!!

 

ヨルトバーリ:

  ッッッッ――――!!!!(ファントムを闇のゲートに投げ入れ、消滅)

 

 

(闇のトバリが完全に消滅。集会場を照らす輝く青空に、花々が咲き誇る)

 

 

ステラ:

  …………すごいですわ。

  これが、あの子達の……太陽の力――。

 

 

シャイニー:

  シャイニ~~~ング✨

 

モニカ:

  モーニングッドっ✨

 

―――

――

―​​

​​

アサ:(目覚める)

  ――……ぅう……あれ、ここ。

 

ステラ:

  目が覚めました?

 

アサ:

  ステラ、ちゃん……。

  あ……!ごめんなさい、ステラ "さん" !

 

ステラ:

  今更ですわ。

  特別に、ちゃん付けで構わなくってよ。

 

モニカ:

  アサぢゃああん無事でよがっだよおおおお!!

 

アサ:

  モニカちゃん……!

 

ステラ:

  生徒達も無事ですわ。

  まったく。この事態、理事長になんて説明すればいいんですのよ……。

 

アサ:

  私、途中から寝ちゃってたのかな……。

  本当に夢みたいな出来事だったなぁ……。

 

シャイニー:(唐突に登場)

  ――夢じゃないぜぃ♪

 

アサ:

  ふええっ!?

 

シャイニー:

  オメーにも、オレっちとモニカのサイコーな技を見て欲しかったぜー!

  いや、オメーは食らった側だっけか!シャイニ~!

 

モニカ:

  ちょ、シャイニー!そのことは、しーだよ!しー!

 

アサ:

  ……?

 

ステラ:

  気にしないでくださいまし……。

  そんなことよりも――モニカ・アオゾラっ!

  問題が山積みでしてよ!お分かり?

 

モニカ:

  え、なにが?

 

ステラ:

 「なにが?」じゃありませんわよッ!

  貴女は、このワタクシを差し置いて太陽の妖精と契約してしまったんですのよ!?

  事の重大さが分かっていますの!?

 

モニカ:

  でも悪い奴追い払ったからいいじゃーん。

 

ステラ:

  それとこれとは話が別ですわッ!

  これはハレルランド国民全体の問題でしてよ!

  すぐに学園と連絡を取って、中央会議に事の次第を――。

 

モニカ:

  そういえば、そっか……!

  あたし、シャイニーと契約しちゃったんだぁぁ!!

  伝説の妖精が、あたしの、パ~トナ~~~…むふふふふ!!

  やったやったー!!

 

ステラ:

  ちょっと、話を聞いていましてっ!!

 

モニカ:

  シャイニー!これからよろしくね!!

 

シャイニー:

  ――あ~~~~~。

  いや~~、そのことなんだけどな?

 

モニカ:

  ……うん?

 

シャイニー:

  えー、ごほん。

  オレっちたち、あの時契約して、変身して、すっごいバトルをしただろ?

 

モニカ:

  ……?

  うん、したけど。

 

シャイニー:

  で、必殺技もぶちかましたろ?

 

モニカ:

  うん。

 

シャイニー:

  なんつーか、その時にパワーを使いすぎちまったのかな~~~~。

  ……変身解けて、まああれだ。それと一緒に。

 

  ――――契約も解けちまったあ☆

 

モニカ:

  ほへー。契約解けちゃったのかぁ。

  じゃあしょうがないねー。

 

  …………え?

 

ステラ:

  え――??

 

アサ:

  え…………???

 

シャイニー:

  え、えへへ~。なんてこった~、こんなことってあるんですねぇ。

  しゃいにーんぐ……!

 

 

〇☆◇モニカ・ステラ・アサ:

  ――ええええええええええええッッ!?!?

 

 

モニカ:

  どどどどどど、どういう――。

 

ステラ:(遮る)

  どういうことですの!?契約が破棄ですって!?

  そ、それじゃあ今度はワタクシと――。

 

アサ:(遮る)

  モニカちゃんのこと嫌いになっちゃったの!?

 

モニカ:(遮る)

  なんでなんで!?説明してよシャイニー!!

 

シャイニー:

  あ、あ、ああ~~。

  なんだかオレっち、聖なるパワー使いすぎてめちゃ眠くなってキタナ~~。

 

  ほんじゃま皆の衆そゆことで。

(モニカのウォッチの中に消えていく)

 

モニカ:

  あっっ!!ちょっとっ!

  どういうことなのおおお~~!!

 

  シャイニ~~~~~~~~~~――――。

 

(モニカの声が虚しく学園に響く)

 

―――

――

―​​

 

【場面転換、ナイトパレス】

 

ヨルトバーリ:

  ――――ッッ!(憑依が解け、目を開ける)

 

メアリー:

  お帰りなさいませ、女王さ……ッ!?

(ただならぬ気配を感じ取る)

 

ファントム:

  ――ぐはぁ!?ゴホッ、ゴホォ!!(闇のゲートから放り出される)

 

メアリー:

  なッ、ファントム!?

  女王様、これは一体……!

 

ヨルトバーリ:

  …………フフフ。(目が笑っていない)

 

  メアリー。

 

メアリー:

  ――っ!!(何かを察し、平伏して申し出る)

 

  ……女王様。私をお使いください。

  愚弟なファントムに代わり、この私が奴を捕えて進ぜましょう。

 

ヨルトバーリ:

  いいわ、お前の出番よ。

  必ず捕まえなさい。

 

  念のため、「ロッド」の使用を許可するわ。

 

メアリー:

  ――ッ!

 

ファントム:

  っっ……!?(倒れたまま青ざめる)

 

ヨルトバーリ:

  この意味が、分かるわね?

 

メアリー:

  ……ははっ!必ずや。

 

  グナーイン――。(闇の中に消える) 

 

 

 

ヨルトバーリ:

  ――400年前の奴には、あんな力は存在しなかった。

 

  ……マギアフェアリーズ。

  今宵は実に楽しませてくれそうね。

 

  ………………ウフ。ウフフフフッ――――。

 

 

 

【1話 終わり】

 

【おまけ】

アサ:

  うぅ、今日中に課題済ませないとなのに、眠気が……。

 

オヤスミンZ:

  夜更かしはだめだミン!ぐっすり寝かしつけてあげるミン!

  お眠り~ミンミンミンミン!

モニカ:

  そうはさせないよっ!

  『フェアリーコントラクト!✨』

 

オヤスミンZ:

  でたなぁ、マギアサンシャイン!

モニカ:

  みんなの大事な時間を邪魔するなんて許さないからね!

  シャイニー、おねがい!

 

シャイニー:

  シャイニ~ング、任せろォ!

  ハァァァアふんぬッ!ほらよ!(煌めくビンを取り出す)

 

アサ:

  これって……!!

 

モニカ:

​  モーニングッド!

『眠気に負けるな! 眠眠打破っ♪✨』

 

シャイニー:

  マギフェアコラボ開催!今なら、レインボーシャイニーが当たる!?

 

モニカ:

  トキワ製薬~~~!

ステラ:

  公式に見つかる前にお逃げなさいよッ……!

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